
シャネルの絶えざる力の根本に、彼女のメゾン・ド・クチュールがファッション界に与えた絶大な影響が存在するのは必然の理だ。本書『Chanel』では、主題的、年代的の両観点から「ハウス・オブ・シャネル」を検証し、シャネルのコレクションで表現されたアイデアや伝記的要素を紹介している。各時代を代表する例とあわせて、シャネルの死から約10年後の1983年にシャネルブランドを改革し、その創造性を甦らせたカール・ラガーフェルドの作品も紹介されている。ラガーフェルドの巧妙で、ときに不敬にもなるシャネル解釈や、上流文化と大衆文化の影響が融合した彼の作品のなかでこそ、シャネルの歴史的な重要性と、彼女が示した自由でエレガントなモダン女性像の残響が浮き彫りとなり、現代世界での存在感が甦るのだ。